📗 どんな本?
基本的な情報
- タイトル: 改訂版 AI時代のビジネスを支える「データセンター」読本
- 著者: 杉浦 日出夫
- 出版社: 幻冬舎
- 価格: 税込990円(2023/10/24現在)
どんな内容?
- データセンターについて、役割・仕組み・未来像などの観点で体系的に説明されている。
読むための前提知識
- 不要。
- コンピュータやITビジネスに関する前提知識がなくても理解することができる。
📝 読書メモ
🏢 日本データセンター協会
- データセンター事業者と主要データセンター関連事業者で構成される。
- JDCC という略称がある。
- 日本のデータセンターの、コスト面、性能面、安全面、信頼面における課題解決に取り組むことを目的としている。
- JDCC FS というデータセンターの信頼性レベルを定義している。
🥇 データセンタのサービスレベル(ティア)
データセンタの信頼性を示す基準を以下の組織が定義している。
- Uptime Institute
- Tier Classification System
- 国際的に広く利用されている。
- Tier I ~ IV の4段階で定義されている。
- JDCC
- データセンターファリシティスタンダード(JDCC FS)
- ↑の Uptime Instituteが定義した基準を、日本データセンタ協会が日本向けにローカライズしたもの。
🎐 ASHRAE
- アメリカ暖房冷凍空調協会(ASHRAE)が制定した、温度・湿度に関するガイドライン。
- データセンタにおける空調環境も、このガイドラインに沿って指定されることが多い。
- 世界的に利用されている。
- 基準ランクA1~4 は↑に示したTierと関係しない。
🔌 PUE(Power Usage Effectiveness)
- データセンタの消費電力の効率性に関する指標。
- DC全体の消費電力 / IT機器が使う消費電力 で計算される。
- 昔は2.0程度だったが、最近は1.5を切るDCが増えている。
- PUEの計算方法は、国際標準規格(ISO30134-2)にて指定されている。
⭐️ その他、印象に残ったこと
- データセンタの電力冗長化について、電力会社を冗長化していることや、ガス発電できること、UPSを備えていることに加え、発電のための燃料をトラックで優先的運ぶ準備があること も含まれる。
- 日本において、AWSやGoogle Cloudなどのメガクラウドベンダーは自社のDCを持っているわけではなく、コロケーションであること。
- データセンタの住所はセキュリティを考慮して、HPに書かない、むやみに言わない方が良いこと。
- データセンタにおける冷却方法として、空冷、水冷のほかに、IT機器を水に沈める浸水型冷却というものがあるということ。